第71回卒業式 式辞

 

 

 

大阪府立阿倍野高等学校第七十一回卒業式  式 辞


 冬の寒さもようやく和らぎ、校庭の木々や花壇の花々が春の訪れを告げています。

本日、大阪府立阿倍野高等学校第71回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、大阪府教育庁のご代表をはじめ多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、門出に華を添えていただきましたこと、 高い席からではございますが厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございます。

 また、お子様の成長を見守ってこられた保護者の皆さまにおかれましては、今日の晴れやかなお子様の姿を前にして、感慨もひとしおのことと拝察いたします。

教職員 一同、三年間にわたる皆様のご理解とご協力に感謝申し上げるとともに、心よりお慶びを申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与しました357名の第71期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。3年前、皆さんは希望を胸にこの阿倍野高校に入学して努力を重ね、所定の学業を終えました。一人ひとりが三年間たゆまぬ努力を積み重ねてきた結果であることは言うまでもありません。心から祝福いたします。

 さて、皆さんにとって、本校での3年間はどのようなものだったでしょうか。

 みなさんが1年生だった年の10月に着任しました私はそれから2年半の間、みなさんの成長ぶりを見てきました。71期生のみなさんの最初の印象を一言で言うと、明るく、笑顔の多い元気な生徒達というイメージでした。友達同士は勿論のことですが、先生方にもニコニコした笑顔で楽しそうに話している様子が幾度となく見られ、とても印象的でした。

 なぜそんなに先生達とも溶け込んでいるように見えるのかな。いや、たまたまそう見えただけで、気のせいかなとも思いました。しかし、2年生の修学旅行に引率して、それはやっぱり本当なんだと確信しました。高校生ともなると、保護者や先生など、身近な大人からは、一定の距離を持とうとする年代でもあります。友達同士だけで騒いで盛り上がったり、こっそり楽しむ空間をつくったりすることが多くなるはずです。しかし皆さんはいつも生徒同士で楽しむだけでなく、先生達とも距離を縮めて同じ空間で時間を過ごしていました。クラス行動やバスの中などは勿論のこと、夜の自由時間でもホテルのロビーに集まる先生の所にたくさんの生徒達が自然に集まってくるのです。そして、一緒になって安心して楽しむ様子には愛情の通いを感じました。 

 全体レクリエーションの「ミニ運動会とゲーム大会」は企画の工夫や準備に時間をかけて、そのお蔭でおおいに盛り上がり、生徒だけでなく先生も一緒になった「一体感」を感じさせてくれました。参加した全員がとてもいい思い出になったと思っています。そんな皆さんの「一体感」の姿の素晴らしさは後輩たちにも伝わっていました。それは、三年生がリードする今年度の学校行事での姿です。

 体育大会は前年に続き、雨天での予定変更がありましたが、3年生を中心とする生徒達だけの運営をめざし、「一体感」を持って見事に成功に導きました。

 自治会の機関誌の「聖火」の中に、体育大会実行委員長の城戸崎さんは「百花斉放」と題して、「いろいろな人の助けがあって、この言葉の意味の通り、いろいろな花が一斉に咲き開いたな」と感じたそうです。最後に「助けてくれる仲間や最後までついてきてくれる仲間がいることが一番うれしかった」と書いていました。

 また、文化祭では今年もできるだけ生徒たちの手でつくるのがめざすところでした。しかし、2日前の大切な準備や練習の日に台風が直撃して臨時休校となってしまいました。全ての活動が止まり、とても心配しましたが、3年生の慌てることもない 落ち着いた実行力に引っ張られて、全学年が土壇場で間に合わせたところは、「さすが3年生のリードだなあ」という思いでした。さらにエンディングでは例年以上の盛況となったところは71期生のこれまでの「一体感」を持った行事運営を続けてきた実力が発揮されたのだと思います。

 この「一体感」を持って行事を成功させ続けてきた理由を文化祭実行委員長の大久保さんは、「聖火」の中にこう分析していました。「どの行事も見えないところで誰かの支えによって成り立っている。文化祭や体育大会、修学旅行などの学校行事が どれも楽しい思い出として残っているのは、そういう人たちのお蔭だったのだと気づくことができました。」これは素晴らしい気付きです。

 先頭に立ってリードする人、陰で時間のかかる準備や運営を支える人、そしてどちらにも協力する多くの人、この三者のバランスが良くそれぞれが自然に支えあって実行していくことで71期生の「一体感」が生まれたのではないかと思います。

 本校での3年間が皆さんにとって、将来の財産になるものと確信しています。

 

 さて、これから皆さんを待ち受ける社会は、かつてないスピードで変化しています。日本の経済を支えてきた、ものづくりやサービスなども、産業構造が変化し、これまであった事業が縮小したり、なくなったり、また、新たな事業が大きく成長するなど、社会や産業の仕組みが変わりつつあります。そこで、皆さんには思いを込めて、門出の日に、次の3つを はなむけの言葉として贈りたいと思います。

 まず一つ目は、学び続ける姿勢を持ってください。多様な分野に興味・関心を持ち、探究し、答えのない課題に正面から立ち向かい、解決していこうとする意欲や態度が自らの道を切り開いていくことにつながります。自分は何をすべきなのか、本当は何をしたいのか、そのためには何を学んだらいいのかを、心の底から自分に問い、自分の心と対話することが必要です。時代の変化に応じ、 その時代にしっかり対応できるようこれからも学び続けてください。

 二つ目は、挑戦する姿勢を持つことです。どんな困難な状況であっても立ち向かい、チャレンジしていく姿勢を持ってください。また、自分の落ち着く場所や居心地のいい環境に留まることなく多くの人と関りを持ちながら自分を成長させ、挑戦してください。挑戦すれば失敗のリスクもありますが、挑戦しなければ前には進めません。失敗をおそれず信念を持ってやり抜けば必ず道は拓けます。

 三つ目は、若者らしい礼儀正さと謙虚な姿勢を持つことです 。物事を進めるとき、周りの何事に対しても 、耳を傾ける謙虚さを持つことが必要です。良いものは良いものと認識し、価値あるものはその価値を正しく認めることができることです。そして、自分も 他人も大切にすることです。謙虚さに加えて 、礼儀をわきまえきちんとした態度で人と接することができれば、 周りも必ず皆さんを応援してくれると思います 。以上、三つのことを皆さんに贈りたいと思います。


 最後になりますが、本校は3年後の2022年に創立百周年を迎えます。

 阿倍野高校の築いてきた輝かしい歴史と大切に守ってきた伝統を百年続けられたという大偉業です。これは学校だけでなく、今日からの皆さんを含む3万人近い同窓生を会員とする「芝欄会」をはじめ、PTA、阿部高サポーター会、阿倍高会など多くのサポーターによって支えられて成し遂げられようとしていることです。

 本日、3年後に向けて、ご尽力いただいている創立百周年記念事業実行委員会の幹部の方々にご臨席を賜わりました。また、長年にわたり母校への想いをもって花植えの活動を続けていただいている紫蘭会の「阿倍高を美しくする会」のご代表にもご臨席を賜っております。そしてこの良き日の校庭には、PTA、生徒の有志の方々も一緒になって、たくさんの花でお祝いしていただいています。この場をお借りしまして全ての方々に一言、感謝申し上げます。ありがとうございました。

 71期生の「一体感」を持った実行力のある皆さんには、是非これから百周年記念事業に向けてその中心になる人々として、全員に参加していただきたいです。

 母校となる阿倍野高校の百歳の誕生日を皆さんの若い力で盛大に祝い讃えながらこれからの時代に輝く阿倍野高校の未来の創造を語り合いたいと思っています。

 それでは71期生の卒業生の皆さん、3年後全員が元気な姿で再会しましょう。

 以上をもちまして校長の式辞と致します。


                           平成31年2月28日

                                    大阪府立阿倍野高等学校 校長 古元 康博