学問の面白さ

 久しぶりの登校日。生徒たちも授業中には「連休疲れ」が少し見え隠れしていたようです。

 

さて、本校でも大学進学もめざす生徒はかなりいますが、大学での学問とは何か、学問の楽しさとは何か、また高校生にどう伝えればいいのか、悩ましい課題です。


昨年出版され、その筋で話題になった本。タイトルは「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」。出版したのは、大阪大学の学生。

ドーナツを穴だけ残して食べることができるのか。こんな「珍問」に回答するのは、阪大を中心とした工学部、経済学部、文学部、法学部、理学部、医学部などの研究者たち。大学の教授たちが大真面目に回答します。

例えば工学部教授は工学的な切除の問題だとして、ドーナツの穴を残す努力の論証します。「費用対効果では、ドーナツの穴を保存する方法が相応しい。表面にある程度のコーティングを行い・・・」。また数学者は、4次元空間の座標軸で考えるなら可能だと主張します。

個人的に面白かったのは美学(文学の一分野)の研究者。「人類学者であれば、かりに錯誤であっても、どのようにして人類はこの奇妙な問いを発するようになったのか、そのような奇妙な問いを発する人類という動物は、どのような動物なのか、そうした奇妙な問いには人類にとってどのような意味があるのか、そうした奇妙な動物である人類にどのような可能性があるのか」等々。

 

この本を読んで感じたのは、学問の越境性、研究という知的思考のおもしろさです。一つの問題があらゆる学問分野の対象となりうることも刺激的です。

著者は「大学の学問、勉強を理解できそうにないからと距離を置くのではなく、一度触れてほしい。たった一つでいいから興味の持てる学問を見つけてほしい。人生をちょっぴり楽しくするヒントが見つかるかも」。

たった一つの答えなんて存在しない問いに、真摯に向き合う学問の面白さが十分に伝わってきました。さて、これを生徒たちにどう伝えるか・・・。