LINEについて

2月5日付け校長ブログに書きましたが、同日、高校生などを対象にした「起業家交流会」に参加した様子を報告します。

講師はLINEの創設者でもある森川亮社長。大学でコンピュータ工学を学び、テレビ会社に入社後、電気メーカーに転じ、12年前に起業。現在48歳。講演会の趣旨が「起業家養成」ということですので、LINEを考え出した理由、特徴、海外展開の考え方、ビジネスの要諦などなどの話が中心です。

 

ところでLINEとは、24時間、いつでも、どこでも、無料で好きなだけ通話やメールが 楽しめるコミュニケーションアプリ。グループを作成すると一度に多くの人と通信できるといった利点もあり、あっという間に利用者が広がり、日本でも既に5000万人、世界各国で1.8億人が加入しているそうです。なお某研究所の調査によると、昨年5月時点での高校生のスマホ利用率は約85%。LINEを利用する高校生もかなりの数に上りそうです。

 

さて森川社長の話は、「3・11東日本大震災以降、人々は身の回りの人とつながりたくなった」「そのための新しいコミュニケーションツールを提供したかった」「ほしい情報は人と人との会話の中にある」「ツイッターやフェイスブックも盛んだが、自慢話が多い。もっと大事なことは、自分の思いを身近な人々と話をし、分かってもらえることだ」「人間はいつも意味のあることを発しているのではない」「言葉だけよりスタンプ一つで仲直りできたりする」等々。また「ビジネスは3カ月で変化する」「変化したときに、いかに変化についていくか。変化を受け止め具現化できるか」「日本は考える時間が長い。議論で3カ月かかっていたら、マーケット環境は変わっている」等々。

変化の激しい社会におけるビジネスの考え方について、起業家としての森川亮社長の話には、学ぶべきところが多い講演会でした。

 

一方で、LINE(あるいはスマホ)の持つ陰の側面も考えないわけにはいきません。課題を大きく分類すると、

①依存症の問題。使用時間が長く、深夜に及ぶことも。もちろん勉強への影響も。

②人間関係の問題。既読無視やいじめも起こったりしています。

③炎上投稿。軽はずみなネット掲載。

④危険な出会い。犯罪被害。

などが言われています。

 

講演のあと、やはり質問が出ました。「LINEがいじめの温床になっているのではないですか」。森川社長の回答は、「ツールの問題ではない。これを乗り越える知恵が大事だ。そこを議論すればいい」。

科学技術の発展は必ず負の側面も伴います。自動車の発明により交通事故も増えました。だからといって自動車を無くせという主張が今日において受け入れられることはないでしょう。自動車なしの経済発展や日常生活はもはや考えられず、LINEに関する森川社長の回答はその通りだと思います。

では人間社会はどうやってLINEの賢い使い方、ルールを確立するのか。これは子どもたちや家庭だけの問題ではなく、広く大人社会にも投げかけられた課題です。それだけに教育関係者だけでなく多方面での議論が必要だとは思いますが、LINEは人間と人間の関係性にも影響を及ぼしはじめているツールであるだけに、自動車の議論より複雑な気がするのは私だけでしょうか。